2022
05.08

無垢の木について よくある質問

家づくり・建築のこと

無垢の木についてよく頂く質問をまとめました。

無垢は縮むと聞きましたが?

無垢の木は、冬の乾燥した時期には収縮、夏の湿気が多い時は膨らみます。
例えば、冬になるとフローリングに隙間も出来ますが、実(サネ)加工で組まれていますししっかり下地もありますので下にモノが落ちることはありません。
また、構造材には無垢材の収縮に対応する専用金物を使用し、木やせや木のへたりによるゆるみを押さえています。

無垢は傷つきやすいのでは?

樹種にもより硬さが違います。
スギやヒノキなどの針葉樹系は柔らかく傷は付きやすいですが、柔らかい足触りはなんとも言えない心地よさです。
また、ペットのいるお宅やテーブル&椅子の生活が中心のお宅には、堅木のナラやサクラがいいかもしれません。
打合せの段階ではサンプルに触れていただきながら決めていきますが、最終的には見た目、肌触りなどお好みで決めていかれたらいいと思います。

楢フローリング

傷がつきにくいナラのフローリング

桧フローリング

足触りが優しいヒノキフローリング

また、無垢ならではの特徴として復元力があります。
例えば、上からモノを落として床が凹んだ時は、水で濡らして丸めたティッシュ等を、凹み部分に一晩置いてください。木の繊維が切れてなければ、凹んだ部分が盛り上がって元に戻ります。

フローリングで節があるものを目にしますが抜けて穴が開かないのですか?

抜けません。ご安心ください。
節には生節(いきぶし)と死節(しにぶし)があります。生節は繊維が繋がっていますのでそのままで大丈夫、抜けません。死節のある材料をそのまま使うと抜け落ちてしまうので、製材段階できちんと死節を取り去り同材で埋めた床板を使います。

国産材と外材どちらがいいの?

どちらも良いものを厳選してご提案しています。
柱は国産を積極的に使用していますが、梁等は米松を使うことが多いです。
内装材や造作材については、木の表情、硬さ、色合いなど、使う部位によってお打ち合わせの上で決めています。スギやヒノキ、サワラは、国産材を使いますが、人気のウォールナット(くるみ科 ダークブラウン色)は国産材では手に入りません。外国材となります。

杉花粉症ですがスギ材を使って大丈夫?

製材されたものですので、おそらく大丈夫だと思います。ただ、アレルギーの場合、何に反応するか分かりませんので、心配な方はサンプルを取り寄せてしばらく寝室に置いてみるなど事前に確認することをお勧めします。

無垢フローリングの掃除方法は?

基本は、掃除機でほこりをとる。汚れた時は水拭きです。
汚れやシミが気になる場合はサンドペーパーで表面をこすり、自然系オイルを含ませてください。
頻繁に水拭きをすると木の油分が取れて表面がカサカサになることがあります。その時も同様に自然系の床用オイルを使用ください。
狭い範囲なら、乾いたタオルにオイルを含ませて拭くだけで十分、合板用のワックスがけよりずっとラクで簡単です。

フローリングに重曹は使えますか?

無垢の木に重曹は使わないで下さい!
樹種によっては真っ黒に変色することがあります。またスチームクリーナーも使わないでください。無垢の木が過剰に水蒸気を吸い込んでしまいます。

 

合成洗剤は使えますか?

合成洗剤や除菌グッズなどで、床などを頻繁にお手入れしたい方には、オイル仕上げの無垢材は向かないと思います。ウレタン塗装されたものか合板が適していると思います。

 

合板と無垢材の手入れに違いは?

合板の床をきれいに保つには定期的なワックス掛けが必要です。
もし傷がついた時はパテで埋めて同色のペイントで補修しますが、経年変化でパテの色が変色し、ツギハギで残念な状態のこともあります。

一方、意外と楽なのが無垢材です。
もし雑巾では落ちないような汚れがついた時は、サンドペーパーで表面をこすり、塗装用のオイルをやわらかい布に含ませて雑巾がけするように塗ります。
傷が広い範囲にあるときは、サンダー(電動式研磨機、ホームセンターなどで売っています)をかけてオイル塗装をします。

 

無垢材の床の塗装は何を使うのですか?

無垢の木にとって、本当は何も塗らないのが一番なのです。
しかし、生活していれば手垢で汚れたり水に濡れたりしますから、木の美しさを保ち、メンテナンスを楽にするためにも、床材やカウンター材、手すりなど、直接手足に触れる場所の無垢材には蜜蝋ワックスや自然オイルで保護しています。塗料も亜麻仁油を主成分とするオイル、蜜蝋ワックスなどがオススメです。
せっかく無垢材を利用しているのにウレタン塗装や樹脂ワックスを塗ってしまっては、木の表面に塗膜をつくり木の吸放湿性は望めなくなります。また傷がついた時など、オイルのように手軽にメンテナンスが出来なくなります。
ただし、水濡れの激しい場所、例えばキッチンカウンターや洗面台に無垢を使いたい、というご要望の時はウレタン塗装など、しっかり塗膜をつくる方法をご提案することもあります。

ペットがいるので無垢材はやめた方がいいのでしょうか?

実際に中型犬を飼っている建て主の声をご紹介します。
「合板フローリングに住んでいた時は、よだれで床がすぐベタベタに。日頃の雑巾がけはもちろん、ワックスがけもかなり頻繁にしていました。でも、無垢のフローリングの家になったら、ベタベタ感がなくなり、もう何年もワックスがけはしていませんが、足触りもよく、気持ちよく暮らしています。もう合板フローリングの生活には戻れません」

ただワンちゃん猫ちゃんが複数いるお宅は、場所を限定してペット用フローリングを利用する等の工夫もあるかと思います。

無垢材は高いのでは? 

無垢は高い、というイメージがあるかもしれませんが、リーゾナブルなものから高価なものまで幅広くあります。ご予算やお好みに応じてご提案しています。

無垢材の肌ざわりや吸放湿性性能は、生涯続く心地よさです。
せっかく木の家を建てるなら、値段が高いのでは?・・と諦めてしまう前に、まずはお気軽にご相談ください。
「無垢の床材はもっと高いのかと思ってました」という声もよく伺います。

木造住宅は地震に弱いのでは?

まずはじめに、一階と二階の壁の位置、柱の位置をバランスよく配置する構造設計が重要です。
実際に、福島、新潟、熊本で震度7の地震を被災したPAC住宅は多数ありますが、構造にダメージを受けた家はありません。流れる空気の仕組みによって、構造材(柱、梁、土台などすべて)の初期強度が維持されていたことの証明でもあります。
もちろん、耐震等級トップクラスの3等級の家も無垢の木で建てることが出来ます。希望される方には、許容応力度計算を行い、その結果に基づいた構造設計をしています。

 

木造住宅は火事に弱いのでは?

古い木造家屋で発生した火災など、火が燃えさかる様子を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし現在の建築基準法に則り建てられた木造住宅は、外からの火に対して屋根、外壁とも不燃建材を使っています。
室内側から見た場合、床・壁・天井の下地すべてに不燃建材(12.5mmの石膏ボード)を使えば、外からも内からも構造材が火から守られていることになります。

しかし、火災時に本当に怖いのは炎ではなく室内で発生した煙、有毒ガスです。

➀室内側の壁・床・天井の下地を耐火性能の石膏ボードにする
②内装仕上げはビニールクロスでなく紙系のクロスに、もし予算が許せば漆喰など火に強い素材にする。
③カーテンやカーペット、家具など、できるだけ自然素材でできているものを選ぶ
こうした建築的方法やインテリアのセレクトをすることをお勧めします。