09.16
素材、つくり手の顔が見える家づくり
こんにちは。市川です。
日ごとに秋の気配を感じるようになってきました。この季節になると、昔、よく祖母がこしらえてくれたぼたもちを思い出します。地元では春も秋も呼び名は「ぼたもち」。甘くてずっしり大きくて懐かしい味です。
素材、つくり手の顔が見える家づくり
私たちは無垢の木や漆喰などの自然素材をお勧めしています。室内のフローリングだけでなく新築の場合は土台や柱などの骨組みも無垢材です。
自然の素材には温もりがあります。そして使うほどに味わいは深まり、艶のある床板、漆喰や土壁で仕上げた壁は唯一無二のもので見ていて飽きません。そして何より湿度の高い夏、乾燥する冬、家の中の湿度を調整して結露や過乾燥を防ぐ吸放湿性という機能も持ち合わせています。
しかし自然素材は工業製品ではありませんからバラつきがあるのも事実です。ですから例えば木材であれば産地や加工場まで出向き、質を確かめ、そこで働く人たちの思いにも触れて、「ここの素材なら大丈夫。この人たちからなら安心して買える」と思うものをお客様へ提供したいのです。最近はインターネットでポチっとすれば材木さえ買えますが、しかしそれでは素材の質も素性もわかりません。
また、自然素材はそれを扱う大工や職人たちの技量が必要です。人間が一人一人顔も性格も違う様に、木は一本一本、一枚一枚違うし、収縮や反りも生じます。それを識る大工がいて、無垢材の良さは生かされます。他にも伝統的な左官技術を現代住宅にも取り入れやすい様に切磋琢磨する左官職人、 田んぼでイグサづくりから取り組む畳屋たち。こうした職人たちがいてこそ自然素材の家づくりは成り立つのです。
代表取締役 市川小奈枝
(エアサイクルハウジング通信「風の便り10月号より)