2020
10.15
屋根防水

屋根の防水シートにも呼吸できる素材を使う

家づくり・建築のこと, 市川所長のブログ

先日、お引渡しした鎌倉のお客様が、初めて新居に宿泊された時の様子をメールくださいました。
○○日は宿泊しましたが、気がついたことがひとつ。窓は閉めてあるのに、さざ波のように部屋の空気が動い
ていて、自分の呼吸のリズムにそろうこともあり、この家は息をしていると感じました。とても楽に眠れます。

これはおそらく、1/fゆらぎのシーリングファン、室内にふんだんに使われた自然素材、そして室内と躯体の流れる空気構造によってもたらされた感覚ではないかと思っています。

昨今多くみられる気密性重視型の機械換気に頼る住宅ではこうした体感は得られにくいと思いますし、何より「楽に眠れます」というご感想はただただ嬉しいです。

エアサイクルハウジングの家づくりは、透湿性のある素材を適材適所に使い、建物に湿気がこもって結露やカビ、木部の腐れなどが生じないように、家が呼吸できる状態を維持できるように、随所に工夫があります。

今回はその一つ、屋根下地に用いるルーフィング(防水シート)についてご紹介したいと思います。

◆透湿性のあるルーフィング(防水シート)を採用
屋根は、住まいを強い日差しや雨から守る重要な部位で、高い耐久性が求められますが、さらに当社では建物の湿気抜きという観点から、屋根下地に使用する防水シートの選定にもこだわっています。

屋根の構成を下から順番にご説明しますと、
①垂木(たるき)
②断熱材(外張り断熱)
③集熱通気層(24㎜)
④野地板(12㎜)
⑤ルーフィング(防水シート)
仕上げ材(瓦、ガルバリウム鋼板等)
となっていて、ルーフィングは屋根仕上げ材の直下にあります。

このルーフィングは一般的にアスファルト系製品が使われることが多いのですが、当社では透湿性のあるルーフィング、「ルーフラミテクト」(セーレン社製)を採用しています。
屋根防水
◆「ルーフラミテクト」の優れた機能
1.透湿性があり、野地合板の湿気を屋根面から排出させることができます
2.アスファルト系シートより強度、耐久性があり長期間防水性能を維持します
3.独自の止水加工で釘穴からの雨水の浸入を防ぐ、止水能力の高い製品です

屋根の防水シート

もともとPAC(パッシブエアサイクル)住宅は、通気層や流れる空気のしくみで建物に湿気をこもらせず結露や腐れに強い構造になっていますが、屋根下地のこうしたところにも家の呼吸を止めない素材を使い、家が長持ちするよう配慮をしています。

 

代表取締役 市川小奈枝


 

メールマガジン会員登録受付中
家づくりに関する情報や、メルマガ会員様だけにお知らせする勉強会情報など、メールでお届けしています。 下記よりご登録ください。
メルマガ登録