12.10
失敗OFFの家づくり シリーズその1
失敗OFFはむずかしい
多くの方にとって家づくりは一生に一度、多大なお金と時間を使う。それだけ良いものをつくりたいとの思いであろうが、家づくりは非情だ。
あんなに頑張ったはずなのに、住んでから気づくことが多い。そしてがっかり落ち込む気持ちにさせられることが少なくはない。
今回のシリーズでは、どのような失敗が実際にあるのかを考え、ではどうしたらいいかを少し提案してみたい。
その前にどうして家づくりは失敗が多いのか、それはどうしてなのかを考えてみよう。
人間は基本的に失敗を繰り返し、その中で学び、成長していく。それを何度も何度も、エンドレスに体験していく。人の成長は、その失敗をいかに成長の糧にするか、できるかどうかに掛かっている。そのためのいわゆる生き方本も昔から数多く出版されてきた。
家づくりが難しいのは、一人の人が何度も何度も経験することが、実際には困難だから。経験が積みあがらない、経験値が少なければ、なかなかうまくはいかないという事なのだろう。
今回の家づくりは3回目だ、という方にも何回かお目にかかった。家づくりで3回というのは、とても多い経験と言えるが、経験を積み上げて失敗しなくなったというには少ない数字かもしれない。
またさらに多く経験したとしても、家を使う時間を考慮すると、その経験が生きなくなると言えるだろう。独身で結婚生活や子育ての経験は不可能だ。これは籍の問題ではなく実際に独り身でということだが。同様に若いのに自分が老人になった体験もできない。
時間という要素を加えると経験の家づくりに対する価値も揺らいでしまう。
家をつくる技術という面でも時間という要素は非情であろう。
日本人は最新とか最先端が好きな方も多く、そしてそれは良いものだとの信仰?もある。しかし新しいものは、あっという間に古くなる。最新なんて言えるのはせいぜい1年位の事だろう。家は少なくとも何十年と暮らすものだ。もし最新、最先端を求めて家づくりをしていたら、あっという間に古いものになってしまう。
その逆に家にあまり期待をしないで、建売住宅や既成のマンションを購入して住む方は失敗とは感じないだろうと思えるが、現実はどうであろうか。
毎日暮らすという事は、生きていくための行動がある。朝起きて、身の回りを整え、朝食。片づけや掃除。出勤。帰宅後の様々な作業。家族と一緒であれば、やらなければいけない事は、さらに増える。こうした毎日のルーティングワークも慣れてしまえばそれまでとも言えるが、それでももう少し動きやすくならないか、便利になったらいいのにと工夫をしても、家のもともとの作りに限界を感じたりもする。不満はなくなりそうにない。
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